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福井県民生協の移動店舗内で買い物をする住民ら=2024年11月6日午前、福井県池田町水海、永井啓子撮影

 進む高齢化と、乏しい公共交通網。移動の足に困る「買い物難民」「通院難民」の暮らしをどう支えるか。民間の事業に加え、地域住民らが主体となった取り組みが頼みの綱となっている。

 カラフルなトラックが山あいの集落の一角に止まると、近くの家々から高齢者が集まり始めた。

 65歳以上の高齢化率が47%と福井県内で最も高い池田町。やって来たのは、福井県民生協(本部・福井市)の移動店舗「ハーツ便」だ。

 常連客の清水三千代さん(86)は「欲しいものを持ってきてもらえてありがたい」と話す。移動販売は週に1度。夕食の刺し身やすしに使うショウガなどを買い込んだ。

 同生協のハーツ便は2009年に始まり、徐々にエリアを拡大。現在は計19台の車両に生鮮食品や総菜、加工食品、日用雑貨など500~800品目を積み、県内約1200カ所を定期的に回る。週約3500人が利用しているという。

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福井県民生協の移動店舗=2024年11月6日午前、福井県池田町水海、永井啓子撮影

 担当の中川政弘常勤理事は「物を見て買いたいという思いを満たし、コミュニティーの場を提供している」と言う。ただまだまだ移動販売を必要とする地域は多い。県によると、高齢者が半数以上を占めるいわゆる「限界集落」は、09年4月時点では県内104集落だったが、24年4月には374集落にのぼった。

 中川さんは「県内の限界集落…

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